サソール・ソーラーチャレンジ・サウスアフリカは、FIA(国際自動車連盟)公認の「代替エネルギーカップ」に位置づけられた国際レースです。南アフリカ共和国で隔年に開催され、国内を一周約5000kmもの距離を走行し、約2000mの高低差を含む過酷なレースです。
東海大学ソーラーカーチームは大会が開始された2008年以降、3連覇を達成しています。
10月5日(金)霞ヶ関ビル35階の東海大学校友会館でサソール・ソーラーチャレンジ・サウスアフリカの優勝報告会を開催しました。学生らは授業が始まっていることもあり大会参戦メンバーが揃うことはできませんでしたが、無事に大会3連覇したことを報告することができました。
大会最終結果
順位 | クラス | チーム | 走行距離 | 走行時間 |
---|---|---|---|---|
1 | Challenge | Tokai University | 4632km | 71:13 |
2 | Challenge | Kenjiro Shinozuka | 4632km | 89:55 |
3 | Challenge | University of Kwazulu Natal | 1930km | 99:50 |
4 | Challenge | Nelson Mandela Metropolitan University | 299km | 53:16 |
順位 | クラス | チーム | 走行距離 | 走行時間 |
1 | Olympia | North West University | 1087km | 90:47 |
2 | Olympia | University of Johannesburg | 847km | 105:06 |
3 | Olympia | Tshwane University of Technology | 409km | 99:55 |
5 | Olympia | WITS University | 44km | 83:55 |
4 | Olympia | German School, Johannesburg | - km | 0:00 |
本日になってようやく大会本部から正式な大会結果が発表されました。それによると東海大学の総合優勝は変わらないものの2位のチーム篠塚が総走行距離が同じになり時間の優劣による順位だったことが分かりました。
昨日までの長距離レースを終えて、学生らはさっそく帰国の準備を始めました。約5000kmを共に走行したサポートカーを清掃したり、輸送物品の整理・梱包を行いました。学生は長距離のレースで疲れが溜まってるようですが、10月1日には日本に帰国し普段の学生生活が始まります。
ソーラーカードライバーたち | 積み込み準備 | ソーラーカー梱包 | 夕食での優勝祝杯 |
本日はセツンダからプレトリアまでの227kmを走行しました。昨日のモータ破損により今日も引き続き登坂用モータを使用して走行をしました。朝方は曇り空であまり発電を行うことができませんでしたが、昨日までのバッテリ状態が満充電に近いため本日も速度を低下させず走り切ることが出来ます。最終ドライバーを伊藤樹氏に託しレースのゴール地点のCSIRに11:04に到着しました。これで東海大学ソーラーカーチームは南アフリカ大会3連覇、国際大会5連覇を樹立しました。レース結果は総走行距離は4632km、走行時間は71時間13分、平均時速65km/hでした。
曇り空のスタート | ゴール地点に到着しました | 歓声を受ける東海大学チーム | 記念写真 |
本日はピーターマリッツバーグからセツンダまでの563kmを走行しました。本日のドライバーは午前に急勾配の坂が多いことから三瀬剛氏と、午後は緩やかなコースであることから遠藤直樹が担当しました。朝方のパネル発電によりバッテリがほぼ満充電になりました。スタート地点からコントロールストップまで上り下りの連続でモーターに過大な負荷がかかりモーターが焦げてしまい、緊急停車を行なって予備モーターに換装しすぐに出発しました。その後は順調に走行をしましたが動物が道を塞いて一時停車したり、地元のストライキでトラックが迂回をせざるを得ない場面もありました。
モタコンの異常発熱 | 焼き付きしたモータの交換 | 動物が道に | ゴール地点に到着 |
本日はBloemfonteinからHarrismithまでの568kmを走行しました。朝方の整備時間中に、昨日の悪路走行によりスパッツやタイヤハウスに付着した泥を拭き取り、ダメージがある3輪全てタイヤ交換を行いました。また登坂用モータから汎用モータに変更しました。前半はゆるやかなアップダウンが続いているため新人の遠藤直樹がドライバーを担当しました。出発して直後からリアタイヤのブレーキパッドの擦れる様な音がしたため、次のコントロールストップで点検しました。 午前中は何度か道路工事が多くありその度にインターバルの数分の間ソーラーカーが停車しました。その為コントロールストップではバッテリが満充電状態になっており太陽光による発電を停止させました。後半はバッテリが満充電に近いので時折MPPTを止めたりしたり、下り坂が多く回生ブレーキによって大きな電力を得られました。
料金所を通過する | 泥はねの被害 | カバーを掛ける | 異音の原因を探る |
本日はEast LondonからBloemfonteinまで559kmもの距離を走行しました。朝方から天候は良好で十分な発電を行うことが出来ました。コースは内陸を行くため登坂用モータに取り替えました。昨日のレースからバッテリ残量が半分以上あるため平均速度80km/h以上で走行できました。午後は道路工事によりコースが封鎖されており迂回ルートを走行しました。迂回ルートはある程度舗装されていたのですが、一部で砂利道を走る場合もありました。砂利道ではタイヤのパンクに気をつけ低速で走行しました。無事に通過できましたが、タイヤハウスには泥が付着しておりタイヤへの傷も多少ありました。道路の途中には道路工事により数分ほどソーラーカーが停車する場面もありバッテリ状態はほとんど満充電に近いです。他チームよりもバッテリ的に大きなアドバンテージを持っておりこのまま独走していきたいと思います。
登坂モータの取り付け | 砂利道を低速で走行する | 段差を乗り越えるため持ち上げる | 走行するソーラーカー |
本日は、今大会最長となるOudtshoornからEast Londonまでの658kmもの距離を走行しました。スタート地点のOudtshoornでは曇り空で太陽が隠れていたため朝方の太陽光発電ではあまりバッテリ充電を行うことができませんでした。本日のドライバーは長距離であることを考慮して伊藤樹と三瀬剛氏が担当しました。明後日も長距離であることやこのレースにおける走行距離の重さを考慮してバッテリ切れにならないよう慎重に走行を行いました。モーターは低回転高効率のものに取り替え、降雨する可能性があるので防水対策を行いました。8:00に出発し2位のチーム篠塚と6分差でしたが、前半のうちにチーム篠塚の追い上げにより僅差まで近づかれましたが、その後こちらもペースを上げてfinish地点のイースト・ロンドンは17:35に到着した後、太陽パネルによるバッテリ充電を行い17:56にゴールをしました。
モータ交換 | 後に迫るチーム篠塚 | コントロールストップ中に発電 | 日没まで発電を行う |
本日からケープタウンからプレトリアに向けたステージ2が始まりました。スタート地点のCapetownは曇り空であまり発電が期待できませんでしたがバッテリを使用しながら走行することができました。この先の天候が悪化する可能性があるため引き続き防水対策を施しました。本日のドライバーは交通量が多いことが予想されるため三瀬剛氏と、後半は新人の遠藤直樹が行いました。コントロールストップでは東海大学が到着後20分の差でチーム篠塚が到着しました。後半から天候が回復してきたため、あすの長距離に備えて平均速度を落としてバッテリ充電を優先させました。現地メディアの影響からか途中のLadismithやfinish地点のOudtshoornでは子ども達による出迎えを受けました。Finish地点のOudtshoornに到着した後、その日のゴールとなるフィニッシュラインを超えず直前に停止させ、車体整備および太陽パネルによるバッテリ充電を行い作業完了後、15:34にゴールを迎えました。
スタート地点 | 東海大学の後ろにはチーム篠塚 | 歓迎を受けるTokai Challenger | フィニッシュ直前での車体整備 |
本戦4日目終了(ステージ1)での順位
順位 | チーム | 走行距離 |
---|---|---|
1 | Tokai University | 1719km |
2 | Kenjiro Shinozuka | 1719km |
3 | University of Kwazulu Natal | 842km |
4 | North West University | 473km |
5 | University of Johannesburg | 304km |
6 | Nelson Mandela Metropolitan University | 258km |
7 | Tshwane University of Technology | 100km |
8 | German School, Johannesburg | - |
8 | WITS University | - |
本日はOffdayということで、ソーラーカーの整備及び展示を行いました。finish地点のショッピングモールCanal Walkの屋上駐車場にソーラーカーを展示していましたが、午後から天候が悪化して雨が降り始めたため中止しました。Offday中はバッテリを電源を用いて満充電にして良いとのことなので、バランス調整を行いながら満充電にしました。
これまでの結果は、プレトリアからケープタウンまでのステージ1は東海大学とチーム篠塚が走行距離が同じ1719kmとなっていますが、走行時間では依然東海大学がトップです。最近は天候が優れないこともあり他チームはトレーラーで車両を運んでいる光景を頻繁に見るようになりました。明日はケープタウンからプレトリアまでのステージ2が始まります。気を引き締めて競技を行いたいと思います。
展示前に車体整備しました | 屋上で展示を行いました | NMMUの車体 | 他チームの車体 |
今朝のSpringbokは曇り空で肌寒い天候で太陽パネルも結露していました。この曇り空により良く発電することが出来ずほとんど昨日の終了時点のバッテリ状態のままスタートすることになりました。天候が悪化する可能性が高いため防水防塵対策をしたのですが、これによりアッパーとロアーのかみ合わせが悪くなり応急処置としてクリアテープで補強することとなりました。本日のコースは下り坂とカーブが多いため経験が豊富な伊藤樹氏と三瀬剛氏がドライバーを担当しました。スタート地点から曇りがちな天候でしたが下り坂が多いため回生ブレーキによる発電を行うことができました。コントロールストップのVanrhynsdorpは雨が降っていたため極力アッパーを持ち上げず発電よりも車体保全を優先しました。本日のコースの中盤ではトレーラーが道路脇に突っ込む事故が発生しておりソーラーカーが停車する場面もありました。ケープタウンに近づくにつれてハイウェイの交通量が増えて平均80km/hで走行するソーラーカーの後は渋滞が起きていました。ケープタウンのCanal Walkには15:58に到着しました。あすはOffdayなので車体整備を行いますレースはあさって23日から再開されます。
太陽パネルに結露 | 自動車事故の様子 | テープによる応急処置 | ケープタウンのフィニッシュ地点 |
今朝は昨日のバッテリが満充電に近いため太陽光による充電をほとんど行わず出発しました。本日は走行距離375kmと比較的短いため2名の新人ドライバー坂井と山田が運転しました。Upingtonからの道路はほとんどが直線的で運転がしやすいコースでしたが、昨日と同様に道路工事が多くその度に数分の停車をしました、しかし直線的であったことや速度制限が120km帯が多かったこともありバッテリを多めに使いながらフィニッシュ地点のSpringbokに13:05に到着しました。
Upingtonから出発 | pofadderで充電 | 新人ドライバー | Springbokまで100km地点 |
レースレギュレーションの変更により日の出から出発までの間、太陽光によるバッテリ充電が可能になったため朝方5:10頃から太陽パネルを傾けて充電を行いました。昨日はバッテリを温存したので本日の朝方の充電によりほぼ満タンに近い状態になりました。朝8:00にスタート地点のVryburgから新人ドライバーの坂井達哉(工学部2年次)の運転で出発しました。スタート直後先導車がミスコースしたため数分のタイムロスをしました。その後はコースの各地点が工事中になっておりその度にソーラーカーが停車しました。そのためコントロールストップのOlifantshoekではバッテリが満タンになってしまい、発電を止める場面もありました。ドライバーは新人の山田萌子(工学部2年次)に交代し、無線トラブルが起こりましたが順調に走行しFinish地点のUpingtonに13:58に到着しました。
朝方に充電を行う | スタート地点から出発 | 今大会のテレメトリシステム | 新人ドライバーの運転 |
本日は朝7:30からソーラーカーの展示を催し、予選1位だった東海大学が8:00に会場であるCSIRを出発しました。午前のドライバーは市街地を通ることもありドライバー経験豊富な伊藤樹(工学研究科1年次)が乗車しました。平日の朝ということもあり高速道路は混雑していましたが行政府首都のPuretoriaを走行し、コントロールストップのLichtenburgに11:33に到着しました。これより道が直線的になることからドライバーを新人の遠藤直樹(工学部2年次)に交代をしました。しかし工事中の道路が多くその度にインターバルの15分ほどソーラーカーが停車しました。途中のDetareyvilleでは警察車両に囲われてどうなるかと危惧しましたが、警察車両が先導してくれたようです。本日のFinish地点のVryburgに向かうに連れ天候が悪化し、ぽつぽつと降雨する場面もありました。
全体的に道路状態が悪くフロントスパッツに損傷が着いたほか致命的な損傷は無いので、明日以降もパンクに気を付けてレースをしていきたいと思います。
スタート地点へ向かう | ドライバー交代に伴うバラスト調整 | 警察車両による先導 | 工事中の道路 |
公式予選のタイム
順位 | チーム | タイム |
---|---|---|
1 | Tokai University | 01:59 |
2 | North West University | 02:06 |
3 | Kenjiro Shinozuka | 02:22 |
4 | University of Johannesburg | 02:14 |
5 | Nelson Mandela Metropolitan University | 02:47 |
6 | University of Kwazulu Natal | 02:52 |
7 | Tshwane University of Technology | 04:00 |
プレトリアのZWARTKOPSサーキットで、今大会に出場するソーラーカーやEV車の公式車検を行いました。早朝7:40に作業場のCSIRを出発し8:30ほどに到着しました。始めにサーキットを何週か練習走行を行った後整備をしたところ右前のタイヤのハブにクラック(ひび割れ)が入ってしまい急遽予備ハブに交換しました。ブレーキ制動試験を行いましたが大会側の不備のため大幅に遅れてしまい、その影響でサポートカー車検が中止されました。その後サーキットを周回してラップタイムを測定しました、明日の本戦はこの順位で出発します。記録は1分59秒で、明日の出走順位は1位になります。
ZWARTKOPSサーキット | ソーラーカーの練習走行 | ハブにひび割れ | 制動試験の待機時 |
本日はCSIR内で公式車検を受けました。具体的には重量やサイズの測定、ウインカーやハザードライトの動作確認、バッテリや太陽電池等の種類を申告しました。明日は早朝からサーキットで車検と予選を兼ねた走行を行う予定です。
バッテリの最終調整 | 試験場に向かうTokai Challenger | 重量測定 | ウインカー点灯テスト |
本日も引き続きソーラーカーとサポートカーの整備を行いました。後発の特別アドバイザーの福田紘大氏と特別アドバイザーの三瀬剛氏がヨハネスブルグ国際空港に到着し合流しました。サポートカー整備は先導・指令・伴走車にパトライトとフォグランプを設置しました。また昼頃に5名のソーラーカードライバーの申請を行いました。なお予定していたソーラーカーの試走は天候不順により中止しました。
本日も引き続きソーラーカーとサポートカーの整備を行いました。サポートカーはスコッチカルを貼り終えてパトライトや無線の設置をしはじめ、週末にあるサポートカー車検に間に合うように作業をしています。ソーラーカーはリチウムイオン電池のバランス調整が完了しバッテリモジュールの組立てを行いました。
あすの昼頃にCSIR内の試走を予定しています。
昨日に引き続きソーラーカー及びサポートカーの整備を行なっています。主にソーラーカー整備では3WSや後輪のアライメント調整などを行い着実にレースに向けて準備をしています。昼頃に作業場ではRSコンポーネンツ南アフリカ社の方が訪問し食料品やRSオリジナルケースの提供を受けました。
RSコンポーネンツ社から物品提供 | RSコンポーネンツ社と集合写真 | 公開用動画の作成 | 角の仮取り付け |
海上輸送した物品は、ATAカルネの不手際により停滞していましたが、11日に通関することができ本日午前中に物品の積み下ろしを行いました。
ようやく手元にソーラーカーや整備物品が到着し、本格的にソーラーカーの整備を行なっていきます。
トラックのコンテナを開扉 | ソーラーカーコンテナの積み下ろし | ソーラーカーの状態確認 | 参戦するソーラーカー |
午後2時頃、在南アフリカ共和国日本国大使館に訪問し、南アフリカでの生活に関する諸注意について1時間ほど講習をして頂きました。その後昨日に引継いでサポートカー整備を行いました。
空港輸送した物品が11日無事に作業場となるCSIRの元に到着しました。海上輸送した物品はあす到着する予定です。
日本国大使館にて講習会 | 届いた空輸物品 | サポートカー整備 | 指令車となるフォーチュナー |
成田国際空港から香港を経由し約19時間のフライトを経て、現地時間でAM7時にヨハネスブルグ国際空港に到着しました。空港では現地のトヨタ自動車の方に迎えられプレトリアのオフィスへと向かい、今大会で使用するサポートカー5台を貸与させて頂きました。次に今回の作業場となるCSIRを訪れて、早速サポートカーの整備を行いました。学生たちは日本と7時間との時差によって疲れが溜まっているようでした。
ヨハネスブルグに到着 | 現地トヨタ自動車オフィス | サポートカーと参戦メンバー | 作業場となるCSIR |
8月14,15日 大潟村ソーラースポーツラインにて、2009年型TokaiChallengerを用いて新人ドライバーの育成やタイヤのパンクを想定した緊急時の対応などの確認を目的とした試走を実施しました。
東海大学湘南校舎 17号館2階ネクサスホールにて「サウスアフリカンソーラーチャレンジ参戦発表会」を行いました。チーム監督の木村教授や学生代表の鈴木一矢(工学部動力機械工学科3年)が大会参戦の目的や抱負の発表を行いました。ソーラーカーチームは、昨年製作した2011年型Tokai Challengerを大会規定に則した改良を行ない出場を目指します。
秋田県大潟村ソーラースポーツラインで、2009年型TokaiChallengerを利用して新人ドライバーの育成を目的とした試走を行いました。