2007年10月より、「東海大学チャレンジセンター」と「社会福祉法人かながわ共同会・秦野精華園」は、「障害者自立支援プロジェクト」を立ち上げました。
本プロジェクトは、「障害者自立支援法」の施行に伴い、いままで以上に障害者の自立を地域全体で支える必要性が増したため、秦野精華園の施設利用者による「製パンおよび販売事業」の拡大によって、障害者の雇用促進や商品開発・販路拡大等を目標としています。
プロジェクト発足以来、工学やデザインなどを専攻している多様な学生が、移動販売車の設計・ブランドロゴのデザイン・製品カタログの作成・市場アンケート調査などを行ってきました。学生が福祉領域において実務体験をすることによる学習効果、さらに学生と障害者が接する機会を増やすことによるノーマライゼーションの実現も期待されます。
本シンポジウムでは、秦野精華園と協働し、様々な支援活動に学生が主体的に取り組んだ活動について振り返り、2008年度以降の展望について議論がなされました。
活動当初は、「学生向けにパンを開発し、売り上げを伸ばせないだろうか」という秦野精華園側からの要請に対し、大学の社会的責任として本学がともに取り組むことからスタートしたプロジェクトでしたが、学生からの発案により、ロゴマークの開発、移動販売車の製作、パンフレットやクリップボードの作成、販売補助、電気オーブンの改造、パンに関するアンケート調査など、予想以上に活動範囲が拡大できたことが、学生を含め本活動に参加した関係者の間で確認することができました。これは、教養学部芸術学科デザイン課程、教養学部人間環境学科社会環境課程、情報理工学部情報メディア学科、工学部電気電子工学科、工学部動力機械工学科、体育学部生涯スポーツ学科をはじめとして、学部学科を超えた多様な学生が一同に集うことで、新たなアイデアの創出が可能となったことによります。また、学生は障害者支援を通じて、活動の意義が確認できたとともに、どのようにして地域を活性化していくべきか、理解を深めることができました。
東海大学チャレンジセンターでは、2008年度も引き続き「秦野精華園」とともに「障害者自立支援プロジェクト」をサポートし、移動販売車によるパンの販路拡大など、さらに強力な「製パンおよび販売事業」を発展させていく予定です。なお、障害者施設と大学だけではなく、地域の方々にもご理解、ご協力いただきながら、地域社会を巻き込んだ大きなプロジェクト活動にパワーアップさせていきたいと考えます。
シンポジウム終了後に行ったアンケート調査において、“東海大学・秦野精華園の連携企画「障害者自立支援プロジェクト」の今後の展開にどのくらい期待していますか?”と参加者におたずねしたところ、非常に高い期待を寄せられていることがわかりました。