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第2回チャレンジセンターシンポジウム
「地域が支える障害者の自立-就労継続支援A型へのチャレンジ-」 〜大学と知的障害者厚生施設の連携による支援活動報告〜
開催報告

実施報告

 2007年10月より、「東海大学チャレンジセンター」と「社会福祉法人かながわ共同会・秦野精華園」は、「障害者自立支援プロジェクト」を立ち上げました。

 本プロジェクトは、「障害者自立支援法」の施行に伴い、いままで以上に障害者の自立を地域全体で支える必要性が増したため、秦野精華園の施設利用者による「製パンおよび販売事業」の拡大によって、障害者の雇用促進や商品開発・販路拡大等を目標としています。

 プロジェクト発足以来、工学やデザインなどを専攻している多様な学生が、移動販売車の設計・ブランドロゴのデザイン・製品カタログの作成・市場アンケート調査などを行ってきました。学生が福祉領域において実務体験をすることによる学習効果、さらに学生と障害者が接する機会を増やすことによるノーマライゼーションの実現も期待されます。

 本シンポジウムでは、秦野精華園と協働し、様々な支援活動に学生が主体的に取り組んだ活動について振り返り、2008年度以降の展望について議論がなされました。

 

  • 日時 : 2008年3月26日(水) 15:00〜17:00
  • 場所 : 東海大学湘南校舎・松前記念館講堂(地下1階)
  • 主催 : 東海大学チャレンジセンター/社会福祉法人かながわ共同会秦野精華園
  • 登壇者 : 落合文雄(社会福祉法人かながわ共同会 理事長)
          大塚滋(東海大学チャレンジセンター 所長)
          瀧本康二(神奈川県保健福祉部障害福祉課施設福祉班 主任
           主事)
          黒澤さつき・冨松芳宏・吉田知貴(東海大学 学生)
          綾部明・前田珠美(秦野精華園 職員)
          為崎緑(神奈川県経営診断協会理事 中小企業診断士)
          米山勝彦(社会福祉法人かながわ共同会 常務理事)
          中山勝(秦野精華園 日中支援部長)
          田野倉祐樹(東海大学 学生)
          木村英樹(東海大学チャレンジセンター推進室 室長)
          山根文江(秦野精華園 園長)
          梶井龍太郎(東海大学チャレンジセンター 次長)
  • 司会 : 尾崎由佳(東海大学チャレンジセンター 講師)
         鈴木真夏美(東海大学 学生)
  • 参加者数: 90名(学生20名、教職員30名、一般40名)

本シンポジウムの成果

 活動当初は、「学生向けにパンを開発し、売り上げを伸ばせないだろうか」という秦野精華園側からの要請に対し、大学の社会的責任として本学がともに取り組むことからスタートしたプロジェクトでしたが、学生からの発案により、ロゴマークの開発、移動販売車の製作、パンフレットやクリップボードの作成、販売補助、電気オーブンの改造、パンに関するアンケート調査など、予想以上に活動範囲が拡大できたことが、学生を含め本活動に参加した関係者の間で確認することができました。これは、教養学部芸術学科デザイン課程、教養学部人間環境学科社会環境課程、情報理工学部情報メディア学科、工学部電気電子工学科、工学部動力機械工学科、体育学部生涯スポーツ学科をはじめとして、学部学科を超えた多様な学生が一同に集うことで、新たなアイデアの創出が可能となったことによります。また、学生は障害者支援を通じて、活動の意義が確認できたとともに、どのようにして地域を活性化していくべきか、理解を深めることができました。

今後の事業への展開

 東海大学チャレンジセンターでは、2008年度も引き続き「秦野精華園」とともに「障害者自立支援プロジェクト」をサポートし、移動販売車によるパンの販路拡大など、さらに強力な「製パンおよび販売事業」を発展させていく予定です。なお、障害者施設と大学だけではなく、地域の方々にもご理解、ご協力いただきながら、地域社会を巻き込んだ大きなプロジェクト活動にパワーアップさせていきたいと考えます。

アンケート回答

 シンポジウム終了後に行ったアンケート調査において、“東海大学・秦野精華園の連携企画「障害者自立支援プロジェクト」の今後の展開にどのくらい期待していますか?”と参加者におたずねしたところ、非常に高い期待を寄せられていることがわかりました。

来場者の主なコメント

  • 今回のプロジェクトで得たノウハウが今後の障害者自立支援に活かされることを望みます。後に続く施設のためにもさらなる展開を期待します。社会福祉施設と総合大学が本格的にタイアップするのは日本初の取り組みということでしたが、この動きが全国に広まってほしいですね。
  • 作る・働く喜びから、売る・お金がもらえる喜び、そしてそれが働く意欲へとつながるというのは、とてもすごいことだなと思います。いつの日か、”障害者の人が作っているパン屋さん”ではなく、”おいしいパンを作って売っているのがたまたま障害者の人が作っているパン屋さん!”となる日を期待しています。
  • 収益の確保が福祉業界にも必要であることを広めていってほしい。
  • 福祉の業界は外の業界に目が向かないことが多いが、このプロジェクトによって外の業界からも注目される機会を確保できる点が魅力的だと思う。

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