2年に一度開催されるBridgestone World Solar Challenge(以下BWSC)はおよそ5日間かけてオーストラリア北部ダーウィンから南部アデレードを目指し、約3000kmの道のりを走破する世界最大規模のソーラーカーの大会となります。参加チームは世界21ヶ国から40チーム以上にものぼり、アメリカのスタンフォード大学(Stanford Solar Car Project)やミシガン大学(University of Michigan Solar Car Team)、ネーデルラント(オランダ)のデルフト工科大学(Vattenfall Solar Team)などをはじめとした世界の強豪チームが最新鋭のソーラーカーで激戦を繰り広げます。
3000kmに及ぶ大会は一般道で行われるため、ソーラーカーも普通の自動車と同様に信号や速度制限など現地の道路交通法を厳守して走行する必要があります。一般車との同時走行やロードトレイン(連結した長いトラック)とのすれ違いなど通常のサーキット走行とは異なる不確定要素にも注意しなければなりません。また乾燥したオーストラリアの砂漠地帯では日中温度は40℃を超えることで、ドライバーとソーラーカーに多大な負荷がかかります。大会期間中、参加チームは道中でキャンプをしなければならず、寒暖差の大きい砂漠地帯では気温の冷え込んだ状態で車両の点検や休息を取らなければなりません。
BWSCでは複数のクラスが存在しており、参加するクラスのレギュレーションに合わせたソーラーカーを用意する必要があります。私たちが参戦するのは「チャレンジャークラス」、速さを追求するスピードレースを行うクラスで、参戦車両にはエネルギーの効率性や車体の耐久性など厳しい基準が設定されています。いわゆる強豪チームのほとんどがこのクラスに参戦しており、まさに世界最速のソーラーカーを決めるレースとなります。私達は2009年、2011年に2連覇を果たしています。最新の2019年大会では準優勝の成績を収めています。現在は王座奪還を目指して日々活動しています。