ソーラーカー班の活動

 ソーラーカー班は「Tokai Challenger (東海チャレンジャー)」、「Trysol (トライソル)」、「Tokai Falcon (東海ファルコン)」 等5台のソーラーカーを有し、ソーラーカーの性能を競うレース 「全日本学生ソーラーカーチャンピオンシップ」 や 「ドリームカップ ソーラーカーレース鈴鹿」 等に出場しています。 2006年には台湾島南部で行われた 「台灣2006 世界太陽能車拉力賽 (World Solarcar Rally in Taiwan)」 に同名の台灣東海大學と協同参戦し サーキットレースで3位に入賞、ラリーセッションで6位入賞を果たしました。 2008年には南アフリカ共和国をほぼ1周する4200km余の大レース 「South African Solar Challenge」 で総合優勝、2009年にも世界最高峰のソーラーカーラリー 「Global Green Challenge」 において総合優勝を成し遂げました。

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  ソーラーカーとは、車体上面に貼った太陽電池に太陽光を受けて発電し、その電気エネルギーでモータを回して走行する地球に優しい電気自動車です。 晴天のときのソーラーカーは、ふつうの内燃機関自動車が給油されながら走っているようなもので、どこまでも走り続けることができます。 また、曇天時や雨天時のために蓄電池が搭載されているので、太陽が出ていないときでも安定して走行できます。 最高時速は150km/hを超えるものもあり (例えば Tokai Challenger)、ソーラーカーレースはさながら省エネルギー尖端技術のダービーといったところ。

 つまりソーラーカーレースで勝つためには、空気抵抗や転がり抵抗、モータやMPPTの変換ロスなどを小さくすることがたいへん重要です。 ソーラーカーは車体の周りの空気が流れやすいような形で、かつ太陽電池をたくさん貼れる形をしています。 タイヤはソーラーカー用の低転がり抵抗なもので、ホイールは丈夫で軽量な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製です。 ボディにもCFRPが用いられ車重は80〜150kgくらい、乗用車に比べとても軽くできています。 ボルトや導線などの小さな部品もひとつひとつ根拠をもって選ばれています。

 またソーラーカーその物の省エネルギー性能を向上させる工夫だけではなく、レース中の走り方も勝敗に関る重要な要素です。 例えば同じ道のりであっても、ゆっくり走るより速く走ったほうが多くのエネルギーを消費するでしょう。 ソーラーカーの運動を妨げる要因は上述したようにたくさんありますが、この場合は主に空気抵抗が速く走るほど著しく大きくなることによります。 しかし相手より先着するためにはできる限り速く、しかしエネルギー切れを起こさないよう走らなくてはなりません。 実際のレースでは空気抵抗の他に、太陽電池の発電量を予測したりモータのエネルギー効率を考えたりしながら巡航速度やモータに流す電流を決めます。 これをエネルギーマネジメントと呼びます。

 このようにソーラーカーチームの活動は製作から運用までさまざまなことに挑み考える、たいへんやり甲斐のあるものです。 現在は2010年に南アフリカ共和国で開催される 「South African Solar Challenge」 出場を目指しています。